手動の灯油ポンプをうまく使うと、灯油を自動で入れることができます。この仕組みは一体どのようになっているのか気になる人もいるのではないでしょうか。
灯油を簡単に入れることができるのは「サイフォンの原理」という原理が働くからです。では、サイフォンの原理とは一体どのようなものなのでしょうか。
ここでは、灯油ポンプの仕組みについてお伝えします。仕組みを知って上手にポンプを活用しましょう。
また、サイフォンの原理を使ったおもしろ実験や、灯油を入れる時以外にも使える便利な利用方法についてもお伝えします。
こちらも参考にして、サイフォンの原理を活用してみましょう。
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灯油ポンプの仕組みは「サイフォンの原理」
灯油をポリタンクからストーブのタンクに移し替えるのによく使われる灯油ポンプ。電池でモーターを動かすタイプのものもありますが、手動で灯油の移し替えができるポンプは電気も使わず値段も安いというメリットがあります。
何も機械が入っていないタダの樹脂製のポンプがどうして灯油を汲み上げたりできるのでしょうか。
ポンプには「サイフォンの原理」という物理的な現象が関係している
液体を元々ある場所からより低い場所に移し替える時、その2つをつなぐホースなどが隙間なく液体で満たされていると、その間に元の水面より高い場所があってもポンプの力を使わなくても流れ続ける仕組みのことです。
液体の種類(比重)や実験を行う場所の気圧によって高い地点の上限は違ってきます。
灯油ポンプの仕組みを知って灯油を入れよう!灯油ポンプの使い方
灯油ポンプは赤いポンプ部分に、まっすぐのパイプとジャバラのホースがついています。そして重要なのはポンプの上にある白いキャップです。
実にシンプルな形をしていますが、実に便利なものなのです。ただし、いくつかのポイントを知っていないと、灯油を吸い出せない事態になるでしょう。
電気がなくても使える灯油ポンプは災害時の活躍も考えられるので、防災知識の一つとして知っていて損はありません。
灯油ポンプの使い方
- ポンプ上部にあるキャップ状のネジが、きちんと締まっているか確認します。
- 真っ直ぐのホースを灯油タンクに差し込み、もう一方のジャバラホースは灯油を移し替える容器に差し込んで下さい。途中で抜けないように確認しましょう。
- ポンプを数回握る・離すを繰り返すとホースを伝って灯油が吸い上げられ、もう一方に流れ込みます。
- 移し替えたい容器がいっぱいになる手前でポンプ上部のネジを緩めると灯油の移動が止まります。キャップを緩めてもホース内に残った灯油が長こむので、ギリギリまで入れないよう注意して下さい。
- ホース内に残った灯油をしっかり切ってからポンプを収納するケースに戻しましょう。
なお、電池式のものであれば自動で停止したり、いっぱいになったことを知らせるブザーがついたものがあります。
灯油ポンプの仕組みで実験をしてみよう!必要なもの
いくら理屈で説明しても、実際に目で見てみるのが一番。
灯油ポンプで灯油を汲み上げることが出来るのと同じ仕組みを、自作の道具で実験してみましょう。
準備するもの
- 使い捨てコップ(透明なもの)
- 曲がるストロー
この他にハサミ、カッター、セロハンテープ、キリまたは千枚通しなど工作に必要な道具
- コップの側面にストローが通る太さの穴を開けます。穴の位置はコップの底から、曲がるストローの短い方の長さと同じになる高さにしてください。
- 穴にストローを差し込み、ジャバラ(曲がる部分)の半分まで差し込みましょう。
- コップの外に出たストローは下向きにしてコップの底より下に来るようにしておきます。カッターやキリなどを使うので小学生以下の場合は、大人と一緒に作業することをおすすめします。
使用するコップは、加工のしやすい紙コップでもできますが、透明なプラスチックのコップの方が液体の移動を観察しやすくなります。
同じようにストローも色付きのものではなく、できるだけ透明なものがいいでしょう。
簡単な工作で行うことができる実験なので、自由研究にもってこいの題材です。
灯油ポンプの仕組みを使った実験のやり方
いよいよ実験を始めていきます。
手順
- ストローを付けたコップは少し高い台の上に置き、外に出たストローの先にもうひとつコップを置いて上のコップに少しずつ水を注ぎましょう。(色を付けた水かジュースを使うと見やすくなります)
- 水を注ぐと徐々にストローの中の水が水面より高くなり、一番高いジャバラ部分を超えると下のコップに向かって流れるようになります。
- 自然に流れ落ちる水は、一定のところまでくると、また自然に止まります。
水の量や水面の高さ、2つのコップの高さの違いなどいろいろ変えて実験してみましょう。
また、どうして水がストローを通って水面より高く上がっていくのか。流れ始めた水が自然に止まるのはどうしてか理由を考えてみましょう。
そして本やネットを使って予想と同じかどうか、違っていたらなぜそうなのかをきちんと調べてまとめてみましょう。
また、この実験を使って出来る他の実験はないか考えたり工夫してみるのも面白いですね。
灯油ポンプの仕組みはこんな場面でも使える
灯油ポンプの仕組みとして知られるサイフォンの原理は、他にも私たちの生活の中で役立つことがあります。
その一つが金魚などを飼っている場合の水槽の水換えです。
バケツや桶を使ってなんども汲み出すのではなく、サイフォンの原理を使ってホースで水を外に流すことができれば水槽の水を交換する時に作業が楽になりますね。
同じ仕組みで水槽の水を捨てる
- 水槽からバケツまで、もしくは排水する場所への長さがあるホースを用意します。
- ホースは一度水に沈めて、ホースの中に水が入るようにしてください。
- ホースの片方をしっかりと閉じて引き上げ、そのままバケツの中に入れて手を放します。バケツは水槽よりも低い場所に置いて下さい。
- 水槽は下の方にゴミや汚れが溜まっているので、水槽内のホースの端はできるだけ底からがいいでしょう。
- 水の移動を止める時は、バケツ側のホースの口を手で握って水を止め、水槽の水面より高く持ち上げましょう。
バケツに移し替える場合は溢れないように注意して行って下さい。
大家族が当たり前だった昔は、醤油なども大きな缶で購入して自宅で小分けにする場合にこうした方法を使っていたことがあります。
今は日常生活で常に使う方法ではありませんが、知識として知っておくと役立つことがありますよ。