通訳を仕事にしている人たちにとって不安なこと、それが通訳の将来性です。
一説には今後数十年で通訳の仕事がなくなると予想もしており、通訳業界の今後がとても気になるところです。
通訳の仕事が将来なくなると言われるのはなぜなのでしょうか。通訳業界で生き残るには?今後通訳者が求められるスキルとは?
英訳の能力はもちろん、コミュニケーション能力も必要になるでしょう。
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通訳や翻訳の仕事の中でも、簡単なものや高い完成度を求められない仕事の多くは、今後なくなっていく可能性が大きいと思われます。
ドイツでは、外国人留学生向けに翻訳機を導入した大学が登場しており、授業の内容を同時通訳したり随時Web上で閲覧できるシステムが登場しています。まだ、ごく一部ですが、今後ドイツ全土に広める計画があります。
講義をしている教授の音声を認識して書き起こすソフトの精度は、すでにかなり高い精度に達しているとのこと。
ただし、翻訳に関する制度は改善の余地があり、まだまだミスが多い状態です。言語によって文法にも大きな違いがありますし、さまざまな国の言語を性格に翻訳してくれるソフトの開発が続いています。
ヨーロッパの国々では隣り合う国の言語は、単語や文法に共通点が多いにも関わらず、まだ精度は完璧とはいきません。
それでも、現代の技術の進化スピードを考えると、通訳や翻訳を生業にしている人たちにとっては危機感を感じる状況だといえるでしょう。
将来仕事がなくなると言われる通訳者、今後通訳者が求められるスキルとは?
これまでの通訳では、ネイティブが日本語の通訳者は、英語を日本語に訳す「英日翻訳」。ネイティブが英語なら日本語から英語にする「日英翻訳」を担当することが多く、ターゲットとなる言語を母国語にしている人が翻訳するのが一般的でした。
しかし、最近は「日英翻訳」が多く求められるようになっており、これまで英日翻訳をしていた通訳者も、日英翻訳を求められる機会が増えています。
つまり、日英翻訳が可能な日本人の通訳者が足りない傾向があり、報酬も上がる傾向があります。
これまで英日翻訳を中心に翻訳や通訳をしている場合、その逆が確実にできるようになると求められる場面は確実に広がります。
通訳者に求められるクオリティは確実に上がっているので、翻訳のスピード感はもとより、時事情報を取り込むリサーチ力や、クライアントの意図する翻訳が可能なコミュニケーション能力が、より重要になってきています。
通訳の仕事はそう簡単にはなくなることはないという意見も
言葉によるコミュニケーションは、あらゆる場面で必要不可欠なものです。いくら翻訳が機械で自働化されても、人同士のコミュニケーションとしての通訳は、簡単になくならないという意見もあります。
通訳という仕事に携わったことがない、一般の人も「機械やロボットが人の感情や意思を正しく翻訳はできないだろう」と考えている人は少なくありません。
すくなくとも、今生きている私たちはそう考えるかもしれません。
しかし、これから生まれてくる子どもたちは、物心ついたときから人工知能による翻訳が当然のものとして存在していることになるでしょう。
機械がAIなどを駆使して翻訳した言葉は、人間の通訳によるものよりも冷たく無機質な言葉のように考えてしまいますが、そうはならないという考え方があります。
機械が置き換えた翻訳からも、人間はそこに込められた「意思」を読み取れるようになっていくのではないかと予想されるのです。
機械の進化だけではなく、人間の適応力がそれを可能にするということです。
通訳の仕事の現状と将来性
日本企業が海外で事業を行う機会は、今後ますます増えていくことでしょう。しかし、通訳とうい役割のまま正社員として登用する企業は減りつつあります。
もちろん通訳の需要はあります。しかし、通訳が必要な業務は常時あるわけではありません。正社員として一つの企業に通訳として所属することは難しいといわざるを得ません。
多くの場合、必要な案件によってフリーランスの通訳者に依頼することになります。企業は、確実な仕事ができる実力と実績のある通訳者を求めます。逆に、安く請け負う通訳者が増えてレベルの低い通訳者の増加も懸念されます。
このような現状を踏まえて、日本の通訳者の労働環境を守るためにも通訳者たちの間で、ネットワークが形成されることも考えられます。
世界中の情報が一瞬でやりとりされる現代ですから、通訳者には語学以外の世界情勢など、幅広く敏感な情報収集能力が必要とされているのです。
将来仕事がなくなるといった不安を払拭させるには?
今後「AIに仕事を取って代わられるのではないか」という職業がいくつもありますが、その中で生き残れるのはクリエイティブな分野ではないかと言われています。
デザイナーや美術・工芸作家、美容師やネイリストなど創造性が必要な作業には、まだまだ人間にしかできないことがあります。
機械ではなく、技術やセンスを持った人たちと切磋琢磨して技術や創造性を高め、オリジナリティを追求することが大切です。
そして、そこにはテクニックだけでなく、人の心や感情に訴えかける「何か」が機械やプログラムとの大きな違いでしょう。
自分の個性やクリエイティビティに自信がないという人は、創造性を高める趣味を取り入れてみましょう。難しいことは必要ありません。ハンドクラフトで物を作ってみることや絵を描いてみる。毎日の料理にちょっとしたこだわりを持つといったことでもいいのです。
何もないところから価値を生み出す。あるものの価値を高める。既存のものを組み合わせてオリジナルにしてみる。
こういったことが自分の中の自由な発想を刺激してオリジナリティを生み出すきっかけになるでしょう。