レストランなどの飲食店に行くと、白くて高いコック帽子をかぶったシェフが印象的ですよね。
お店によっては、帽子の高さが人によって違うお店もあります。
髪の毛が食べ物に入らないようにするには、工場のような帽子でも良いのに、どうしてシェフの帽子にはあんなに高さがあるのでしょうか?
コック帽子の意味や、かぶるようになった理由などご紹介します。
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シェフがどうしてコック帽子をかぶるようになったのか、その意味とは
シェフがどうしてコック帽子をかぶるようになったのか、その意味はご存知でしょうか?
まず、コック帽子の始まりですが、その場所は、料理の最高峰とも言えるフランス料理の本場、フランスから始まりました。
そのフランス料理のシェフである、アントン・カレームという料理人が、シルクハットの山高帽が大のお気に入りで、料理をしている時も被りたいと思い、被り始めたのがコック帽の始まりと言われています。
アントン・カレームは、名だたるフランス料理人の中でも特に有名人だったので、みんなの尊敬を集めるアントン・カレームに続けとばかりに、他の料理人たちも真似しだしたのです。
他に、帽子が高くなった説は、同じくフランスの有名な料理人であったオーギュスト・エスコフィエというシェフが、自身が157cmという、男性としては、比較的低身長であったため、自分の存在をアピールするために、高さのあるコック帽を被るようになったと言われています。
コック帽の最初の意味は、おしゃれとか、存在感のアピールが始まりだったみたいですね。
日本ではシェフの帽子の高さには意味がある
日本ではシェフの帽子の高さには意味があるそうですが、それぞれどのようなものなのでしょうか。
その例としてあげさせていただきますのは、日本でも指折りの高級ホテルである、帝国ホテルからです。
帝国ホテルでは、コック帽に関して、このような決まりがあります。
「見習いは、18cmの帽子を被る」、「7年以上在籍しているコックは、23cmの帽子を被る」、「『料理長』または、それ以上の立場のコックは、35cmの帽子を被る」といったように、厳密な決まりがあります。
とはいえ、35cmもある帽子を被りながら料理をしたら、動きづらそうですよね。
実は、実際にはこの高い帽子を被ることはあまりなく、お客様の前に出る時や、写真に写る時だけこの規定の高い帽子を被り、普段はもう少し低い帽子を被るそうです。
シェフが帽子をかぶる意味はお客様からの信頼もアップ
料理人の階級を示す、コック帽ではありますが、本場のフランスではその決まりは特になく、日本だけが、立場によって高さを分けているそうです。
そんな、シェフが帽子をかぶる意味は、お客様からの信頼もアップさせるものでもあるのです。
帝国ホテルでは、「コック帽が長いほど偉い」という図式をわかりやすくしてくれているため、テーブルに挨拶に来た人の帽子が高ければ、他のテーブルの人から見ても「あの人は偉い人なんだ」と認識することが出来ます。
また、コック帽を被ることで、汗や髪の毛が落ちることを防ぐことが出来ます。
そうすることで、料理や食材を衛生的に保つことが出来、それがお客様への信頼にも繋がります。
シェフの役割は、美味しい料理を提供するだけではなく、お客様への安全と安心を届けることも重要となるのです。
確かに、身なりを清潔にしているシェフは信頼できますよね。
コック帽子を頭に固定させる方法
晴れて憧れのキッチンに立つことが出来たのに、コック帽のサイズが合わなくて、ずり落ちそうで集中できないなんてことがあったら、大変ですよね。
コック帽子を頭に固定させる方法はあるのでしょうか。
もし、その人が坊主頭ではないのなら、コック帽子の内側に、ヘアピンやバレッタなどを縫い付けて、帽子を被るときに、ヘアピンで髪に固定することが出来ます。
こうすれば、ちょっと激しく動いても、簡単には落ちなくなるはずです。
面倒でも、糸で固定するようにしましょう。
そうではないと、気づかないうちに、ヘアピンが料理の中に落ちて、取り返しのつかないことになってしまうかも知れません。
こういった理由から、ピアスやイヤリングなどのアクセサリー類を一切禁止しているキッチンが数多く見られます。
最も良い方法は、「自分に合った帽子のサイズにしてもらうこと」です。
言うのに勇気がいるかも知れませんが、ぶかぶかだったり、小さくて、頭に乗せているだけの状態ですと、いつ落ちるかわかりませんから、上司の人も聞き入れてくれるはずです。
飲食店で働く場合には清潔感が大切
飲食店で働く場合には清潔感が大切です。
おしゃれなカフェや、カジュアルな居酒屋さんですと、髪型が自由なイメージがありますが、きちんとマニュアル化されているところは、多く見られます。
髪には、必ずバンダナを付けさせたり、前髪が長い場合は、ヘアピンなどで留めるように指示されたりします。
ロングヘアーはもちろん束ねます。
ただし、髪の色は自由なところもあり、金髪でもOKというところもあります。
とはいえ、高級ホテルなどのレストランでは、そうは行かず、「髪は黒髪のみ」とされ、地毛が茶髪の人は黒く染めるように指導されることもあります。
高級ホテルや、レストランではマナーにうるさいお客様も多く、「黒髪=清潔」というイメージから、茶髪などの明るい髪色は出来るだけ避けるようにしています。
外国人スタッフは黒染めの必要がないとしても、日本人の髪の色のこだわりは、清潔感を大切にしているところから来ているようですね。